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No.185

堀井 市朗さん

神田錦町 更科 4代目
木造の古い形の蕎麦屋を残しつつ、この街のオンリーワンになりたい

現在では日本全国にある更科蕎麦屋は、寛政元年(1789)に麻布永坂で初めて誕生し、その後分店として神田に来ました。

ランチタイムにはサラリーマンで賑わうという、創業140年を超える更科で現在4代目となる堀井さんは、神田で生まれ神田で育ち神田を愛している生粋の江戸っ子です。

「当店は開店当初よりずっとこの土地に世代を継いできています。私は大学生の途中から4代目として店に立つようになり、33年が経ちました。5年ほど前に親父が亡くなり、改めてのれんを背負う責任の重さと、親父の存在の偉大を実感しました。」

当時は徳川将軍様や宮内省の御用達であった更科の味を一子相伝で伝承していく秘訣には、幼い頃から365日何らかの形で蕎麦を口にしていた体感による味や技術の習得が大きく影響しているそうです。

時代によるニーズの変化や入手可能な調味料の変化の中で、その時々で少しずつ調整しながら古くからの味を守り続けるのは至難の技。帰ってきたお客さんが、変わらないねと喜んで蕎麦を食べてもらえる為に日々精進しているのだそうです。

堀井さんが育った神田はかつては職人の街でおり、1町会に1つはあった銭湯が、お風呂の入り方や街で生活をする上でのルールを教えてもらえるコミュニティの場になっていました。

子供の頃に見た景色や近隣との関係性が変わって見えてしまっている現在に対し「人や建物の新陳代謝があろうとも、古くからの街の伝統や文化は守り抜きたい」と未来の街を見据えながら堀井さんは語ってくれました。

「これからも『錦町』といえば『更科』と、言われるような精度のある蕎麦を提供しながら、街へ恩返しの意を込めて『蕎麦』といえば『錦町』といわれるよう、次世代への引き継ぎに力を入れていきたいと思います。」

ライター:EDITORY アルバイト 丸山飛鳥(共立女子大学4年 建築・デザイン学科)

DATA
神田錦町 更科

神田錦町 更科

創業140年を超え現在4代目、5代目修行中。更科蕎麦のほか年間約30種類の更科粉を使った変り蕎麦が週変りで提供されている。海老・穴子・ごぼうの天ぷらや、季節の天ぷらも蕎麦と一緒に楽しめる。 営業時間は、平日11:00~15:00、17:00~20:00 土曜11:00~14:00。定休日は日曜・祝日。

〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-14
TEL : 03-3294-3669
URL : http://www.kibati-kai.net/02kamei/kameiten/nishiki_sarasina/

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