DSC_0339
No.208

小泉 美奈子さん

岩波ホール 編集担当
半世紀続く映画館で神保町と人をつなぐ

神保町の交差点を渡る時、大きな映画看板を見かけたことがある人も多いのではないでしょうか。神保町駅A6番出口に直結するビルに位置し、都内からはもとより、関東近郊からのファンも足を運ぶほど、長年人々に愛され続けている映画館「岩波ホール」の看板です。

岩波ホールで編集担当として約30年、上映映画のパンフレットの編集作業を行っている小泉美奈子さん。通常は配給会社が製作する映画作品のパンフレットを、岩波ホールが自社で制作しています。岩波ホールでは、作品の理解を深めて楽しんで頂ける様に、上映作品毎に、配給、宣伝チームと一緒に検討しつつ、丹精込めて作り上げています。「監督など製作側のみではなく、作品の背景などに関連した専門家の方々にも執筆を依頼し、作品を色々な見方で楽しんで頂けるように工夫してパンフレットを作っています。」

長い間、映画と人をつなげる仕事をされている小泉さん。
「昔は人気の作品を上映した際、お客様が劇場に入りきれず、劇場の扉を開けて、椅子を並べて観て頂くようなこともありました。ですが、最近はデジタル化が進み、映画館に足を運ばずに家でDVDやインターネットを使って視聴する方が増えていますね。本当はぜひ劇場の雰囲気の中で、作品を観て楽しんでもらえたら嬉しいです。」

「感動作品を上映した際、劇場のドアを開けた瞬間に観客の方々から溢れる熱気を感じたりすることがあります。常にお客様の顔が見られる近い距離でお仕事できるのが楽しいです。」

そんな小泉さんの神保町の出会いは、小学生5年生の頃に神保町の歯科に通い始めたことがきっかけ。その後、古書店に好きな歌舞伎の雑誌を買いに来たり、明治大学に入学してまもなく、先輩から初めて連れてきてもらった場所も喫茶店さぼうるでした。大学時代は、演劇専攻クラスに通いながらのアルバイトとして岩波ホールでチケット販売等を行い、卒業後岩波ホールに入社しました。それ以来、神保町との縁が続いています。

「この街には深く楽しめるものが豊富にあり、いろいろな色があって面白い。古い建物を新しく改築したカフェができたのを見て、“街が生きている”感じがしていいなと思いました。外から来た人に映画だけではなく街を楽しんで頂きたい。お友達と待ち合わせして映画を観て、喫茶店でコーヒーを飲みながら映画の感想を話し合ったりするなど、街を楽しんでほしいですね。」

これからは神保町と人をつなぐことも積極的にやっていきたいと、笑顔で語ってくださいました。
「今後の目標としては、劇場と街をつなぐ役割を担っていきたい。10階のロビーは入場自由なので、多くの方に気軽に遊びにきて頂きたい。近隣にお住いの方や働いている人で、ここで映画を観た事がない人に来て頂けたら嬉しいですね。」

Editory スタッフ拓殖大学4年 伊藤伽奈(Ito Kana)

DATA
岩波ホール

岩波ホール

1974年から世界の埋もれた文化的に質の高い名作映画の発掘上映を行っているミニシアターの元祖。49年間で述べ約240タイトル、世界約50ヵ国以上の作品を現在までに届け続けている。座席数:220席

〒101-00519 東京都千代田区神田神保町2-1 岩波神保町ビル10F
TEL : 03-3262-5252
URL : https://www.iwanami-hall.com/

閉じる