2015.10.01 Thu

外国人観光客を呼びこむために大事なコト、モノ、ヒト

2015年9月17日(木) TOKYO LOCAL THINKING vol.12は、トリップアドバイザー「外国人に人気の日本のホテル 2014」ランキング12位、2015年8月1日号 週刊ダイヤモンド「プロが選ぶベストホテル」東京6位に選ばれるなど、外国人、日本人問わず大人気の『庭のホテル 東京』代表取締役社長・木下彩様をお招きし、「外国人観光客を呼びこむために大事なコト、モノ、ヒト」をテーマに講演会を実施しました。

庭のホテルのご紹介と共に、外国人、日本人問わず人気を集めるおもてなしの秘訣に迫ります。

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庭のホテル 東京  代表取締役社長 木下 彩(きのした あや)

【 庭のホテル概要 】
株式会社UHMは今年創業80周年を迎えました。1935年、現在の庭のホテルの場所で森田館という旅館として創業し、戦前戦後を通じて営業してきましたが、都内で旅館を続けることに厳しさを感じ、1973年に東京グリーンホテルというビジネスホテルに生まれ変わらせました。東京グリーンホテルは水道橋、淡路町、後楽園と3店舗を経営していましたが、2007年に水道橋店を閉め、全面改築して6年前に「庭のホテル 東京」をオープンしました。

「美しいモダンな和」をコンセプトとし、ロビーから客室、庭まで日本らしさをほどよく感じて頂けるようなデザインを施しております。
ホテルから1~2時間で回れるエリアをお散歩する「江戸まち歩き」や地元の老舗とのコラボなど、ホテル内のみならずその土地柄を感じてもらえるようなイベントも多く開催しています。
2009年の5月にオープンした当初10%足らずだった外国人利用者も、2013年以降は半数以上を占めるようになり、世界中の方にご利用頂けるようになりました。

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【 3割程度と予測していた外国人利用者が半数を上回った理由 】

一番の要因は「口コミ」であると思っています。ありがたいことに、知らないところでお客様が評判をどんどん広げて下さっているのです。
外国人利用客の多くがトリップアドバイザーをご覧になっていることが示すように、日本人に比べ海外の方は口コミを丹念に読んで自分の好みや目的に合ったホテルをさがす傾向が強いようです。

加えて、外国人客の約7割はレジャー目的のお客様です。どこにでもあるような万人向けのホテルより、個性のある、日本らしさが感じられる場所を求めているのかもしれません。

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そして、ここからはよりお客様とより近い距離でお仕事をされているコンシェルジュの伊藤様より現場の声をお伺い致します。

 

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【 アンケートを通じて気付いたお客様の満足ポイント 】
庭のホテルではチェックインの際にアンケート用紙を配布しており、月に150〜200枚程、年間約2000枚のアンケートを回収することができています。
特に多く記入頂けるのはgood place、good locationのキーワード。
東京や新宿など都内各方面の主要駅にアクセスしやすい事は外国人の方にとって大きなポイントのようです。

また、スタッフのサービスにも良い評価を頂いています。日本語以外の語学力は必ずしも完璧ではありませんが、事前の準備を徹底するようにして、空港や有名観光スポットへのアクセス方法など、よく訊かれる質問の答えはあらかじめ印刷してお客様にお渡ししています。そうすることでお客様はもちろん、スタッフも効率良く動くことができ、その分の時間を新たなサービスに当てることができます。

さらに、アンケートに住所やメールアドレスを記入してくださった方には、後日必ずお手紙かメールをお送りするようにしております。また、ハネムーンやバースデーなどお客様の特別な日にはサプライズでささやかなプレゼントを差し上げたりもします。
何をしたら喜んでいただけるかを考え、真面目にコツコツ積み重ねることが、また次も利用したいという思いを引き出せるのではないかと思います。

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そして、ここからは会場からの質疑応答に移ります。

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【 外国人利用者の増加に伴い困ることは何か 】
日本語、英語共に全くわからない方も多くいらっしゃいます。英語以外の外国語を話せるスタッフもいますが、どうしても通じない場合にはタブレットで翻訳機能等を利用したりもしています。ただ、まだまだ対応は十分でないと思っていますし、文化の違いによりルールを理解していただけない事も多々あり、その難しさを感じています。

 

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【 主要観光エリアに負けず観光客を獲得するには 】
やはり銀座や浅草などは根強い人気があります。ホテル近辺で飲食店やショップなど案内しようとしても、外国人受け入れ態勢が整っていない店舗も見受けられるのが現状であり、それではお客様も受け入れ側も互いに気持ち良く過ごせません。その点、これまで多くの外国人観光客を受け入れてきた主要エリアは強いと思います。
今後は、紹介する我々と受け入れ先が連携を取りご案内出来る関係性を築いていけたら良いと思います。

 

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【 今後の展望は 】
主催イベントの充実に力を入れてきましたが、今のところ外国人向けイベントは実施できておらず日本人向けのみです。既に観光の予定を決めて来日される外国人にとって、参加のハードルは高いと思われますが、より多くの方に日本の文化やこの街の魅力を体感して頂ける様、更なる工夫をしていきたいと思っています。

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【 まとめ 】
最も重要なことは日本人、外国人に関係なく、いかにお客様に真心を持ったサービスができるかということと感じました。
“外国人観光客”と身構えず繕わず、ありのままの日本らしさやその街らしさでお出迎え、おもてなしをすることが、外国人の方が求める日本観光の一つでもあり、喜びに繋がる秘訣のようです。

文:共立女子大学 建築デザイン学科 4年 丸山飛鳥(EDITORY 神保町 学生アルバイト)

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