2015.12.19 Sat

神田エリアに新しい風を吹かせるプロフェッショナルたち

2015年11月11日(水)の TOKYO LOCAL THINKING vol.13は、神田エリアにて、新しくお店をオープンした、その道のプロフェッショナルの方々をお招きして、このエリアの新たな魅力や可能性について会場の皆様と意見交換を実施しました。

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一人目のゲストは神田神保町・錦町の人の流れを変えたコーヒースタンド「GLITCH COFFEE&ROASTERS」オーナーの鈴木 清和氏。
そして二人目は2020年東京オリンピックから正式種目に決定した、スケートボードの専門店を今年9月に千代田区初としてオープンした『Prime Skateboard Store』オーナーの金井 信太郎氏です。

なぜ神田エリアに出店したのか?最近のこのエリアは、外の方にはどのようなイメージがあるのか?など、とても有意義な会となりました。

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【 ゲストによる自己紹介 】

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GLITCH COFFEE&ROASTERSオーナー 鈴木 清和(すずき きよかず)氏
約半年前、今年の4月10日に“こだわり抜いた日本発信のコーヒーを広めたい”という思いでGLITCH COFFEEというコーヒーショップを錦町の角地にオープンしました。以前は、バリスタ世界チャンピオンのポール・バセット氏のエスプレッソカフェPaul Bassettで、チーフバリスタ兼ヘッドロースターを10年間務め、現在バリスタ暦は現在13年になります。

今でもPaul Bassettに通い、クオリティーチェックという焙煎とバリスタの質の確認を定期的に行っています。最近はバリスタの専門学校で講師を務めるなど若手育成の立場としての活動もおこないます。

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Prime Skateboard Storeオーナー 金井 信太郎(かない しんたろう)氏

今年の9月18日、神田警察通り沿いのビル2階に千代田区内、山手線沿線の内エリア初となるスケートの専門店、Prime Skateboard Storeを出店しました。15歳で行ったアメリカへの短期留学中、シアトルでハンバーガーをくわえながら颯爽とスケボーで走っていく少年の姿に心惹かれたことがスケボーを始めたきっかけでした。

渋谷にある老舗スケートボード屋で店長を10年間務めた後、“若者だけでなく大人まで楽しんでもらえるスケボー文化を発信したい”という思いで独立を決意しました。

 

【 なぜこの街をスタートの地にしたのか 】※以下敬称略

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鈴木:独立を決めてからオープンに至るまで約3年間経ちますが、場所選びには随分時間をかけました。元々多店舗展開を考えていて、一店舗目は渋い地域性を持ち日本のエネルギーを感じられる場所にという思いがありました。

まず、神保町という知名度がありつつも渋い文字並びや響きに良さを感じました。そしていくつかのエリアを実際に歩く中でも、皇居や靖国神社が近く、古い建物や古本などの文化がそのまま根強く残っている神保町を体感して、ここだ!とピンときました。

ポップアップが多く、新しいものが流動的に循環してしまう渋谷のような街とは異なり、流行の波に飲み込まれない独自の色の強さを持ち続けるこの街に、自分の追い求めたいこだわりが共鳴したのだと思います。

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金井:スケートボードがオリンピック種目に選ばれてから需要は爆発的に延びてきました。都内で歩いていれば一日に一人は必ず目にします。しかしスケボーはまだまだクリーンなスポーツというイメージが根付いてはいません。

これまで渋谷で働いてきましたが、家族連れやビジネスマンはお店にふらっと入りにくい雰囲気があり、都内にいながらも店舗ではなくwebを通じての注文が多いのが現状でした。だからこそ、あえて渋谷と真逆に位置するビジネス街である神田に構えました。

私の生まれ育った場所でもある千代田区は地図で見ると実は東京の中心。スケボーの免疫のないまっさらなこのエリアを、スケボーは誰もが自由に身近に楽しめるスポーツというイメージの発信地にしたいと思っています。

 

【 実際に出店をして思ったこと 】

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鈴木:自分がおいしいと思えるこだわりのコーヒーだけで勝負したいと考えていたこともあり、ターゲットはコーヒー業界の方や外国人などのニッチな層、と挑戦姿勢でいました。そのため老舗の喫茶店やフランチャイズ店からバッシングされるのではないかと構えていましたが、実際はその方々を含む地域の皆さんがむしろ応援して背中を押してくださいました。その地域の繋がりが本当に嬉しく、スタッフにとっても活力になっています。

自分達が本当に伝えたいおいしさを感じてもらうことが出来てこの場所を選んで良かったと心から感じています。

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金井:以前の店では店頭に立つよりも、多くご注文頂いていたweb販売の対応を主にしてきました。オープン前も、初めは来客よりもweb対応が中心になると予想していましたが、開店当初から渋谷の店舗を上回る来客数があり驚きました。ビジネスマンが多いため、昼に注文しに来店して退社後取りに再来店するなど、地域によるスタイルの違いも見て取れました。

この街に来て間もない頃は、土日は殆ど人がいないと聞かされていたのですが、実際は人がいない時は無いくらい来店者数があるなど、予測を覆されることも少なくはなかったです。希少性を買って家族連れや外国人が観光地の一つとして来店してくださる時は一層嬉しいですね。

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そして、ここからは会場からの質疑応答に移ります。

【 人を集める秘訣は 】

鈴木:自分達の売りたいものを売りつつも、多くの方にお店のことを知って頂くためのツールとして、SNSを有効的に活用するための工夫を行っています。例えば人がinstagramなどに載せたくなるようなアートを店内や外壁に演出したり、外国人の集客のため英語での更新を行うなどしています。やはり実際のお客様による口コミやSNSの影響力が大きいので、拡散に繋げるための工夫を仕掛けていくことが重要であると感じています。

金井:スケボー業界でも安売り合戦が起き始めいますが、うちは価格では勝負はしていません。一番のこだわりは売り方の独自性です。カスタムオーダーシステムという、世界初の板・金具・ローラーを自由に選び注文することが出来るwebを立ち上げています。組み立てに専門知識を要するスケボーは大手企業もまだ参入しきれていないニッチな業界でもあるのです。まだ誰もやっていないことをすることで確実にニーズを得てきています。

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【まとめ】

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鈴木:日本で生まれたからこそ日本に貢献したい、その思いを自分が唯一叶えられるのがコーヒーでした。お店をつくることが次第にまちづくりへ繋がっていると実感しています。ジャンルを問わずこのエリアを盛り上げたいという志を持つ人達と一緒に、世界からモデルにされるようなコピーのない唯一無二のまちをつくっていきたいです。

金井:神田はこれまで飲食店、ビジネス街という固定的なイメージを持たれて来ました。しかし、バックパッカーなど外国人が多く東京からも近いなど発展性に期待できる街です。独自の目線で新しいことを仕掛けていこうとする人達が挑戦できる街にしていきたいと思っています。

お二方とも、神田の持つこだわりの強さや古くからの歴史や文化が根強く残っている地域性を求めてきました。東京の中心でもあるこの場所を新たなスタートの地として進出しました。こだわりのある自身のやりたいことをぶらさずに追い続け、お客様や近隣店舗とのコミュニケーションを取り続けることが、地域で持続的に新しい立ち位置を確立しているということでした。

文:共立女子大学 建築デザイン学科 4年 丸山飛鳥(EDITORY 神保町 学生アルバイト)

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